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お金について 第5話:日本経済①

岩っちBLOG
2021.01.16

お久しぶりです。岩っちです。

 

今回からは日本経済がどのような変遷を辿っていったのか、お話します。

まずは、戦後の日本経済がどのような状況にあったのかを一緒に勉強しましょう!

 

 

戦前の日本経済は、江戸時代の終焉から明治時代に移り、豪商として名を馳せた財閥系の巨大な企業グループが日本経済を支配しており、自由な競争は起きませんでした。さらには、日本国内では労働組合を作ることが禁止されていたので、労働者が給与を引き上げろという要求ができませんでした。そのため、日本国内では経済が発展しづらい状態にありました。

 

労働者の給料が安いので消費が伸びない。

国内での景気が良くならないなら、新天地を求めて中国大陸や東南アジアなどに進出したいと思い、どうせなら占領してしまおうと戦争体質がついてしまいました。

 

しかし、第二次世界大戦後、GHQ(連合国軍最高司令官司令部)が日本を占領下におき、二度と戦争をしない、できない国に作り替えようとしました。その一環で日本経済を分析し、日本経済を発展させるための取組を行います。

 

 

主な内容は次の三つです。

■財閥解体

持ち株会社所有の有価証券を日本政府の機関に移管し、財閥の構成員を産業界から追放しました。

■労働組合結成の奨励

消費活動が活発になれば、日本経済は発展すると分析し、労働条件を良くして給料を上げる交渉ができる場を作るように促しました。

■農地解放

大地主から借りた農地で農業をしても労働意欲が湧きづらかったので、全国の農地を皆に分け与えることで、農家の人たちの労働意欲を掻き立て、食糧不足の解消を図りました。

 

 

一方で、日本は戦争に負け、中国大陸や東南アジアで戦争していた多くの兵隊が続々と日本国内に戻ってきました。軍がなくなったことで、軍人や軍の関係者およそ700万人に一斉に退職金が支払われました。しかし、敗戦により日本国内にはものがなくなっていました。そして、日本政府は戦争の為の資金繰りで国債を乱発していたため、財政が悪化していました。

 

ものがない状況で、多くの人が現金を手に入れたため、猛烈に物価が上昇しました。そのため、急激なインフレが起こりました。

 

その政策として、預金封鎖が行われました。預金封鎖とは預金者の引き出す額を一定額までに制限することで、日本国内に流通するお金の量を激減させました。また、国民の資産を把握し、2590%の財産税をかけることで財政悪化を緩和させました。

このことで、インフレを収束させることに成功しました。

 

また、解体される前の財閥は軍事に口を出せるほど強大な力を持っていました。財閥の本家の社員の一度のボーナスで東京都内に一軒家が買えたほど、一般家庭との格差があったと言われています。そのため、GHQは財閥が日本の戦争体質の基になっていると考え財閥解体を命じました。

5070代の経営陣が戦争の責任を取らされる形で追放されたため、3040代の社員たちが会社の社長や役員になります。企業の経営陣が若返ると、まだ何十年もその会社で働くことになるので会社の発展を考えるようになります。

その結果、様々な企業が活性化し、日本経済が発展していく活力となりました。

 

さらに、労働組合法が施行され、労働組合が結成されていきました。労働組合とは労働者が労働条件の維持・改善や社会的地位の向上などを目的として自主的に結成する団体です。企業は経営側の一方的な方針ではなく、労働者の意見を積極的に聞き入れて労働環境を向上させなければいけません。

日本国内の労働力は活性化し、経済発展の一助になりました。

 

日本はGHQに言われたことだけをして経済発展をしたわけではありません。

日本独自で、「傾斜生産方式」という政策をとりました。傾斜生産方式とは、ある産業に資材や資金を重点的に投入し、それらの循環的拡大を通じて産業全体の拡大を図る方法です。戦後では特に、鉄鋼、石炭増産に集中的に取り組んだとされています。

 

農地解放により農家は自ら一生懸命働くようになったことで、

日本の工業、農業共に活性化することに成功し、経済も発展していきました。

 

 

日本の戦後経済は、GHQと日本独自の政策により発展していくことに成功しました。

皮肉なことに、戦争に敗退することが、結果的に経済的な成長に繋がりました。

 

 

 

余談ですが、IMF(国際通貨基金)によると、現在の政府の債務残高は戦後の預金封鎖直前に近い水準にあるとされ、近い将来に預金封鎖が実施されることも覚悟が必要だという専門家もいます。現在の不況を脱却するために、大規模な財政改革がされるとするなら、痛みを伴うのは必然です。

ただし、備えておけばその痛みは最小限に抑えることができます。

日本経済を振り返ることで、今後の経済を予測し、備えることに対して、ほんの少しでも手助けができれば幸いです。

 

 

次回をお楽しみに!!