数年前、「野球とはなんぞや?」
といったテーマの記事を読んだことがあって、
時々思い返しては自社の経営に活かしています。
野球はチームでプレイするスポーツですが、
野球と同様に会社もチームで動いています。
社長1人で運営している会社でも、
他社との関わり合いの中で経営されているはずなので、
一人で経営が成立しているわけでは決してありません。
野球と会社はとても似ている。
野球のチームプレイと会社の役割分担はとても似ている。
以前読んだ「野球とはなんぞや?」の記事をベースに、
その話を会社組織に置き換えたらどうなるか。
それを私なりに考察してみました。
野球において、相手チームに勝つためにはバッティング力が必要です。
ピッチャーが優秀でノーヒットノーランで
相手チームのバッテリーを抑えたとしても、点が入らなければ勝てません。
勝つことを前提として戦っている場合、勝たなければ意味がありません。
なので勝つためにはバッテリー力は第一条件ではあります。
バッテーリー力は勝つためには絶対に必要な能力ですが、
ピッチング力が弱かったらどうでしょうか。
ピッチング力が弱かったらチームは勝ちにくくなります(負けやすくなります)。
なぜかというと、バッテリー力が強く大量に点が取れたとしても、
それ以上に点を取られたら負けてしまうからです。
そうなるとピッチャーの役目は何でしょう。
ピッチャーの一番の役割は勝つことではなく、負けにくくすることです。
負けにくいピッチング、つまり点が取られないわけですから、
負けにくいピッチャーがいるチームは
1点でも取れば良いので当然勝ちやすくなりますね。
ではそれを会社に置き換えてみるとどうでしょう。
点を取るのは営業サイドの仕事。
負けない組織を作るのは管理サイドの仕事。
営業サイドと管理サイドがそれぞれの持ち味を最大限発揮できる会社は生き残ります。
そのためにはそれぞれのパワーバランス(和)が重要になってきます。
もうお分かりかと思いますが、どちらかが優れていれば必ずしも勝つというわけではありません。
少し話が逸れますが、
野村監督はリーダー論という著書の中でこう述べられていました。
人間教育こそが強い組織のもととなる。
いくら技術を磨いても限界がある(中略)思考を変えなければ進歩も成長もない。
(引用元 著者:野村克也、出版社:大和書房、図書名:リーダー論)
組織でも同じことが言えると考えます。
社内でいざこざがあると風紀が乱れ、伝染し、負のスパイラルが起き、悪化していきます。
同じ空間の中で仕事をする以上、お互いが人間力を高めていく必要があるのだと考えます。
つまりパワーバランス(和)を高めるためには相手理解が必要。
営業サイドと管理サイドがお互いがお互いを理解すること。
それは理解しようと試みることから始まります。
仕事ができても調和する能力がなければ
半人前で勝負の場にすら立つ権利がないと野村監督は言っていると私は受け取りました。
相手を理解する能力は、自己中心的な発想を持っていてはできません。
また理解した上で、かつ行動が伴っていることが必要不可欠です。
相手を理解しようとする気持ちから始まり、行動を起こすことで、
役割の異なる営業サイドと管理サイドの調和が生まれ、良い組織に成長していくという理論です。
それにはどちらか一方の理解ではなく、両方からの理解が求められます。
話を戻しますと、
野球において、バッテリー力とピッチング力の両方がチームに備わっていないと勝てません。
つまり攻める力と守る力のことです。
組織でも同じこと。
そのためには自分の位置(立場と役割)を明確に認識し、
自分以外の立場を理解し、行動に起こした結果、
良い組織になる正のスパイラルが生まれるということなんです。
会社の規模問わず原理はそういうことで、
組織を大きくするかしないかは経営判断となりますが、
継続するには相手を理解し行動することが肝心です。
それは会社に限らずプライベートでも同じことが言えます。
人は一人では生きていけません。
山籠りで完全な自給自足をする仙人のような人でさえ、
幼少期は誰かしらに育てられたはずです。
人間社会はいわば共存社会なので、相手理解はとても重要です。
繰り返しになりますが、負けない組織作りに必要なことは、
営業サイドと管理サイドという両極端にあるもの同士がお互いを理解し、
調和し合い、お互いの能力を最大限発揮することです。
つまりそれぞれの良さを最大限引き出して調和できる組織が負けない組織だと考えます。
自分の中にも営業サイドと管理サイド(つまり攻めと守り)は存在するので、
自分に置き換えてみるのも面白いと思います。